家の間取りを自分で作るには?無料オンラインツールで設計する7ステップ(2026年版)

ArchHomeAI 編集部 · · 12分で読めます

ノートパソコンの設計ソフトで家の間取りを自分で作る人
設計図面にお金をかける前の初期検討は、いまやブラウザの中でほぼ完結します。

家の間取りを自分で作るなら、順番を固定するのがコツです。要望書を書き、敷地にゾーンを割り付け、縮尺どおりの間取り図を描き、3Dで確認し、最後に外観と主要な部屋をパースで検証します。この5段階は無料ツールで十分こなせます。ただし構造計算や確認申請用の図面までは作れません。

ポイント

  • 家具より先に、要望書と敷地の測量から始めます。間取りの失敗は、仕上げ材の選び直しよりはるかに高くつきます。
  • フラット35利用者調査(2025年度)では、土地付注文住宅の住宅面積は平均110.3㎡、建設費は平均3,737.6万円でした。1㎡のムダが約34万円に相当します。
  • 建築士法では、木造2階建て以下で延べ面積100㎡以下なら建築士でなくても設計できますが、100㎡を超えると木造建築士以上の資格が必要です。
  • 2025年4月の建築基準法改正で、平屋かつ200㎡以下を除く木造住宅は、確認申請で構造などの審査が必要になりました。
  • 現実的な無料ワークフローは、要望書、ゾーニング図、2D間取り図、3Dウォークスルー、パースの順に進め、申請前に建築士へ有償でチェックを依頼する流れです。

家の設計は本当に無料・オンラインで自分でできる?

設計の前半なら、答えはイエスです。いまのブラウザツールを使えば、更地の状態から縮尺どおりの間取り図、歩き回れる3Dモデル、完成後の姿を写真のように見せるパースまで、無料でたどり着けます。建築の世界でいう基本構想から基本設計の段階、つまり建物の配置、部屋の広さ、向き、屋根形状といった大きな判断を固める部分です。

一方で、無料ツールでは確認申請用の図書は作れません。構造計算、基礎の詳細、省エネ関係の書類、そして建築士が作成する設計図書です。オンラインで作ったものは「非常に詳しい要望書」と考えてください。間取りの議論をパソコンの上で済ませておけば、建築士や設計事務所とのやり取りが速くなり、打ち合わせ回数も減らせます。

自分で設計するといくら浮く?設計費と建築費の関係

住宅全体の費用に占める設計費は、多くの人が想像するより小さな割合です。米国のNAHB(全米住宅建設業者協会)の2024年調査では、新築一戸建ての平均販売価格は$665,298、そのうち建築費が64.4%($428,215)を占め、設計・エンジニアリング費は建築費の1.5%、約$6,480にとどまりました。

  • 118.4㎡ 注文住宅の平均住宅面積(フラット35利用者調査 2025年度)
  • 4,262万円 注文住宅の平均所要資金(同調査)
  • 206.1㎡ 土地付注文住宅の敷地面積(中央値、同調査)
  • 1.5% 建築費に占める設計・エンジニアリング費(米国NAHB、2024年)

日本の数字でも結論は同じです。住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2025年度)によると、土地付注文住宅の建設費は平均3,737.6万円、住宅面積は平均110.3㎡でした。単純計算で1㎡あたり約34万円、坪単価にすると約112万円です。廊下を5㎡(約3畳)ムダにすると、それだけで約170万円。設計を丁寧に詰める本当の理由は、ムダがコンクリートになる前に削ることにあります。

建築士に頼まず自分で家を設計してもいい?

日本では建築士法が、建物の構造と規模ごとに設計できる資格を決めています。木造住宅の場合、延べ面積が100㎡を超えると一級・二級・木造建築士のいずれかでなければ設計・工事監理ができず、300㎡超または3階建て以上になると一級か二級建築士が必要です。逆にいえば、木造2階建てで100㎡以下なら、法律上は資格がなくても設計できます。

ただし2025年4月からルールが厳しくなりました。国土交通省の解説によると、都市計画区域などの中では「平家かつ延べ面積200㎡以下」の建物以外は、構造によらず構造規定などの審査が必要です。一般的な木造2階建ては、確認申請で構造や省エネの図書を求められる前提で考えてください。海外も似た状況で、米国カリフォルニア州の事業・職業法典5537条は木造2階建てまでの戸建てなら無資格者の作図を認めています。ただし通常の木造軸組の規定から外れる部分は、建築士やエンジニアの関与が求められます。

家の間取りを自分で作る7ステップ

ソフト選びより大事なのは順番です。各ステップが次の選択肢を絞り込むので、後戻り(キッチンのパースを作った後で階段の位置を動かすなど)が起きると、自分で設計するプロジェクトは何週間も失います。

  1. 要望書を書く すべての部屋について目標の広さ、使う人、使う頻度を書き出します。予算、階数、駐車台数、外部空間、ワークスペースや1階の寝室などの必須条件も加えます。
  2. 敷地を把握する 測量図を入手するか実測し、境界、道路、高低差、樹木、上下水道やガスの引き込み、真北を確認します。建ぺい率・容積率や高さ制限が、建てられる範囲を決めます。
  3. ゾーニング図を描く リビング、寝室、水まわり、屋外といったゾーンを円で敷地に置き、隣り合うべきものを線で結びます。ラフで構いません。
  4. 縮尺どおりの間取り図にする 厚みのある壁、ドア、窓、寸法を描き込み、各部屋を法令上の基準と置きたい家具でチェックします。
  5. 3Dで確認する 目線の高さでモデルの中を歩きます。天井高、玄関からの見通し、階段の頭上空間、日の入り方を見ます。
  6. 外観と主要な部屋をパースにする 屋根形状、素材、色をリアルな画像で比較します。一度に変えるのは1項目だけにします。
  7. 専門家に引き継ぐ PDFとDXFで書き出し、建築士や設計事務所、構造設計者に渡して、実施設計、構造、確認申請図書を依頼します。

使える要望書(設計条件シート)の書き方

よい要望書はイメージ写真の寄せ集めではなく、表です。部屋ごとに名称、目標面積、置く家具、ほかの部屋との関係を書きます。「キッチン14㎡、スツール3脚のアイランド、ダイニングと一体、庭とパントリーへ直接出入り」は役に立ちますが、「広くておしゃれなキッチン」は役に立ちません。

延べ面積は実際の数字と照らし合わせましょう。フラット35利用者調査(2025年度)では注文住宅の平均が118.4㎡。参考までに米国国勢調査局によると、2025年に完成した一戸建て100万5,000戸の中央値は2,142平方フィート(約199㎡)でした。部屋リストの合計が予算に見合う面積を大きく超えるなら、図面ができる前にいま削ります。敷地ごとに入る部屋数の目安は敷地サイズ別の小さい家の間取りガイドで解説しています。

敷地に合わせた間取りの決め方

紙に手描きで間取りのラフスケッチを描く手元
壁を1本引く前に、まず紙の上でゾーンとつながりを整理します。

最初に決めるのは向きです。コストはかからず、後から変えられません。米国エネルギー省のパッシブソーラー住宅の指針では、北半球の住宅で日射を取り込む窓は真南から30度以内に向け、暖房期の9時から15時まで日陰にならないようにするとしています。日本も北半球なので考え方はそのまま使えます。南側に居間を置き、夏の高い日差しは適切な深さの庇で遮ります。

次に部屋をゾーンでまとめます。寝室は道路やキッチンから離し、浴室・キッチン・洗面脱衣室は配管の通る壁に寄せて固めます。玄関からリビングへは、室内を横切らずに入れる動線を確保します。寝室群を1本のまっすぐな廊下でつなぐほうが、短い廊下が入り組むよりずっと効率的です。傾斜地ならスキップフロアも選択肢で、造成で平らにするより安く済むことがよくあります。

間取り図をオンラインで作るときに確認する寸法と法令

パソコン画面に表示されたCADソフトの建築平面図
2Dエディターで、スケッチが壁・開口部・実寸をもつ図面に変わります。

ゾーンが固まったら、壁厚、ドアの開き、寸法の入った図面を描きます。初めてなら間取り図の書き方ガイドで採寸、縮尺、記号をまとめています。そのうえで各部屋を建築基準法施行令などの基準と照合します。米国の基準(IRC)はFine Homebuildingの要約を参考に並べました。

設計時に確認したい主な最低寸法(日本と米国IRCの比較。地域の条例も確認してください)
項目日本(建築基準法・施行令)米国IRC(参考)実用的な目安
居室の天井高さ2.1m以上(施行令21条)2.13m(7フィート)2.4m前後
住宅の階段の幅75cm以上(施行令23条)手すり高さより上で91cm家具を運ぶなら90cm以上
階段の蹴上げ・踏面蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上―3Dで上り下りを確認
居室の採光床面積の1/7以上(原則)―南面の窓を優先
居室の換気床面積の1/20以上(建築基準法28条)―対角に開口を配置
居室の面積―6.5㎡(70平方フィート)以上主寝室で10〜13㎡(約6〜8畳)
廊下の幅―91cm(3フィート)1.05〜1.2m

右端の列は私たちの推奨で、法令ではありません。最低寸法はあくまで法律上の下限で、すべてを下限でつくった家は窮屈に感じます。典型的な落とし穴は階段です。蹴上げ23cm・踏面15cmは合法ですが、実際にはかなり急なので、上り下りしやすい寸法を3Dで確かめてから決めましょう。

無料の住宅設計ソフトはどれを選ぶ?ステップ別の向き不向き

無料ツールはいくつかの系統に分かれ、どれか1つですべてをうまくこなせるものはありません。間取りアプリはレイアウトが速く、汎用3Dモデラーは自由度が高い反面習得に時間がかかり、AIツールは完成イメージを見せるのが最速です。多くの人は2種類を組み合わせています。

無料の住宅設計ツールのタイプ比較
ツールのタイプ例得意なこと無料版の制限
部屋・間取りアプリPlanner 5D、RoomSketcher、Homestyler素早いレイアウト、家具配置、簡単な3D上位機能は有料、技術的な出力は限定的
汎用3DモデラーSketchUp Free(ウェブ版)自由な形、屋根、ボリューム検討習得に時間がかかる。商用利用は不可
CADタイプの2DエディターArchHomeAIの2Dエディター、デスクトップCAD正確な壁、寸法、DXF/PDF出力初期のラフ検討には時間がかかる
AIパース・間取り生成ツールArchHomeAIのパース生成、要望書からの間取り図リアルな案を数分で複数あくまでイメージ用の下書きで、施工図ではない
プロ向けBIMRevit、ArchiCAD確認申請・実施設計図書有料ライセンス、専門教育が前提

確認できた事実も押さえておきましょう。SketchUpの公式ヘルプによると、Freeプランはブラウザで動き、Trimble Connectのクラウドストレージ10GBが付属し、商用利用はできません。Planner 5Dはトップページで8,000点以上の家具・インテリア素材をうたい、無料で始めたうえで有料のPro版も販売しています。ブランドではなく、いまいるステップで選んでください。

ArchHomeAIで家を自分でオンライン設計する

ArchHomeAIでは設計の各ステップを1つの流れで進められます。部屋、階数、敷地の広さ、スタイルなどを要望書として入力し、「要望書から2D間取り図」を使うと、表題欄、凡例、面積表、建具表、スケールバー、方位記号の入ったA3のAI間取り図が作られます。要望書の書き方と結果のチェックポイントはAI間取り図作成ツールのガイドで解説しています。

そこから2D間取りエディターで壁、ドア、寸法を詰めます。AutoCADのようなコマンド入力に対応し、DXF、SVG、PDF、IFCで書き出せます。3Dプランナーでは家の中を歩き回り、360°パノラマやglTF/OBJファイルを出力できます。見た目を試すなら、更地の写真をアップロードして家の特徴を書くだけで、数分でリアルなパースが複数案届きます。

緑豊かな庭に建つモダン住宅のリアルなパース
完成イメージのパースがあれば、プロポーションや素材感を早い段階で判断できます。

料金はクレジット制です。新規アカウントには無料クレジットが5つ付き、標準的なパース1案は2クレジット、間取り図は1フロアにつき3クレジット。生成に失敗した場合は自動で返還されます。詳しくは最新のクレジットパッケージをご覧ください。作成される図面は初期検討やイメージ共有のための下書きで、確認申請図書や施工図は建築士が作成する必要があります。

図面にお金をかける前に、自分の敷地に建つ家を見てみませんか 土地の写真やスケッチをアップロードし、建てたい家を説明するだけで、リアルなパースが数分で複数案届きます。新規アカウントには無料クレジットが5つ付きます。 パースを作成する

建築士や構造設計者に引き継ぐタイミング

間取りが固まったら、タイルを選び始める前に専門家を入れましょう。見てもらうのが早いほど修正は安く済みます。傾斜地で地下や半地下がある、大きな片持ちや柱のない大開口がある、3階建て以上、浸水・土砂災害の警戒区域にある、あるいは延べ面積100㎡を超える木造で建築士の設計が必須になる場合は、自分で描くのは要望書までにして、最初から建築士に任せるのが賢明です。

渡すのはスクリーンショットの束ではなく、まとまった資料一式です。要望書の表、敷地測量図、寸法入り間取り図のPDFとDXF、狙いのイメージを示すパース数枚、未解決の論点リスト。工期も見ておきましょう。NAHBのブログEye on Housingが米国国勢調査のデータをまとめたところ、2024年に施主自身が建てた住宅は着工許可から完成まで平均15.1か月、施工会社が建てた住宅は約12か月でした。図面がはっきりしているほど、この差は縮まります。建築費の予算づくりは家を建てる費用のガイドを参考にしてください。

家を自分で設計するときのよくある失敗

  • 建ぺい率・容積率や斜線制限を確認する前に内装を考え始め、あとで建物が敷地に収まらないと気づく。
  • 方位を無視して、敷地の暗い側にリビングを置いてしまう。
  • 壁厚を考えずに部屋を描き、実際の壁を入れた途端にすべての部屋が狭くなる。
  • 浴室やキッチンを間取りのあちこちに散らし、配管が長くなる。
  • AIパースを仕様書として扱う。画面上の色や素材は実物と違うので、必ず実物サンプルで確かめる。
  • 「いつか必要かも」に備えて広げすぎる。増えた1㎡はすべて建築費満額で払うことになる。
  • 最後まで構造の専門家に見せず、想定外の梁に合わせて屋根を設計し直す羽目になる。

よくある質問

家の設計は無料で自分でできますか?

できます。無料のブラウザツールで、要望書から縮尺どおりの間取り図、3Dモデル、リアルなパースまで作れます。ただし構造計算や省エネ書類を含む確認申請用の図書は作れません。オンラインで作った設計を詳しい要望書として使い、建築士に依頼して行政や確認検査機関に通る図面に仕上げてもらうのが現実的です。

建築士の資格がなくても家を設計できますか?

規模によります。建築士法では、木造で延べ面積100㎡以下の2階建てまでなら資格がなくても設計できますが、100㎡を超えると木造建築士以上、300㎡超や3階建て以上では一級か二級建築士が必要です。また2025年4月以降、平屋かつ200㎡以下を除く住宅は確認申請で構造などの審査を受けるため、実務上は専門家の関与がほぼ欠かせません。

間取りを作れる無料アプリでおすすめは?

どの段階かで変わります。Planner 5Dのような間取りアプリはレイアウトや家具配置が速く、SketchUp Freeは自由な3D形状の検討に向きます。ArchHomeAIのようなAIツールは、リアルなパースや要望書からの間取り図がいちばん速く得られます。1つのアプリに頼るより、レイアウト用とイメージ確認用を組み合わせる人が多いです。

自分で家を設計するには何から始めればいいですか?

まず要望書です。すべての部屋を目標の広さと使い方つきで書き出し、予算と階数も加えます。次に敷地を把握します。境界、道路、高低差、方位、建ぺい率や容積率の制限です。そのうえでゾーニング図を描き、縮尺どおりの間取り図に落とし込みます。要望書を飛ばすことが、設計のやり直しが起きるいちばんの原因です。

設計図を描いてもらうといくらかかりますか?

国や依頼内容によって大きく変わります。参考として米国NAHBの2024年調査では、建売中心の新築住宅で設計・エンジニアリング費は建築費の1.5%、約$6,480でした。注文住宅の個別設計はこれより高くなるのが一般的です。明確な要望書と寸法入りの下書き図面を持ち込めば修正の回数が減り、専門家の作業時間を抑えられます。

AIが作った間取り図でそのまま家を建てられますか?

いいえ。AIが生成した間取り図やパースは、初期検討とイメージ共有のための下書きです。レイアウトや部屋の広さ、見た目を素早く試すには便利ですが、構造設計や法適合のチェック、施工の詳細は含まれていません。実際に建てる前に、建築士が確認申請図書と施工図を作成する必要があります。

出典

本ガイドの作成方法:すべての数値は末尾に記載した出典にもとづき、2026年9月に確認したものです。価格は地域、仕様、年によって異なります。

  1. フラット35利用者調査(2025年度) — 住宅金融支援機構
  2. 建築士法(第3条〜第3条の3) — e-Gov法令検索(デジタル庁)
  3. 建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し — 国土交通省
  4. 建築基準法(第28条) — e-Gov法令検索(デジタル庁)
  5. 建築基準法施行令(第21条・第23条) — e-Gov法令検索(デジタル庁)
  6. Cost of Constructing a Home-2024 — National Association of Home Builders (NAHB)
  7. Characteristics of New Housing: Highlights — U.S. Census Bureau
  8. Single-Family Homes Are Built Faster in 2024 — NAHB Eye on Housing
  9. Minimum Dimensions in the IRC — Fine Homebuilding
  10. California Business and Professions Code section 5537 — California Public Law (state code)
  11. Passive Solar Homes — U.S. Department of Energy
  12. SketchUp Free — Trimble SketchUp Help Center
  13. Planner 5D: House Design Software — Planner 5D